安楽寺 八角三重塔をたずねて


 


別所温泉は、信州信濃で最も古い歴史のある温泉で、温泉と信仰とが結びつた信州の霊場として有名である。安楽寺はその一画にある。

 

 



温泉はそれなりに賑わっていたが、安楽寺は人影が見当たらないぐらいひっそりとしていた。

 

安楽寺は、信州最古の禅寺として有名であり、本堂の屋根には北条氏の家紋もあり、北条氏の外護によって栄えたお寺である。また鎌倉建長寺とも深いつながりがある。



本堂までは入場無料であったが、国宝八角三重塔は拝観料300円である。
不釣り合いな入口がユニークである。



本堂の裏を入ったところの山腹に木立に囲まれた中どうどうとそびえ立つ三重塔。四重塔にみえるが、一番下は裳階(もこし)いわゆる「ひさし」らしい。また、八角は、日本でも珍しく、現存するものでは唯一ということだ。

最近になって、鎌倉時代末期1290年代の建立ということが判明したらしい。三重塔の木材から伐採年がわかったらしいが、その技術には感心させられる。



人影もなく、ゆっりとできた。
ひっそりと静まり返ったなかで、時折起こる木立のざわめき、そこに長い歴史の中から自然に溶け込んだ堂々と力強さまで感じる珍しい形の三重塔。ここにあることに不思議さを感じながら、感心させられる。


正式名は、「禅宗様裳階付八角三重塔」というらしい。


次は、ここからさほど遠くない前山寺の重要文化財の三重塔に向かう

 
安楽寺八角三重塔について⇒