広島国宝 不動院をたずねて



広島城から歩いて行けそうかなと町の人に聞いたところ、少し無理そうなので、アストラムライン(広島高速交通)で「不動院前」まで行くことにした。

今日の広島城はさわやかに見えた。


駅を降りると目の前にあったが、あまり案内は表示されていなかった。


不動院は歴史のあるお寺で、平安時代には創建されていたとされている。足利尊氏が設立した安国寺の一つで、安芸安国寺として栄えた。
境内は広くなくこじんまりしているが、国宝の金堂をはじめ、楼門、鐘楼、梵鐘は重要文化財に指定されている。

楼門は1594年の建築


国宝の金堂は、1540年の建築で、杮(こけら)葺きで、屋根が二つ見えるが下段はもこし(ひさし)である。禅宗様(唐様)の建築様式で屋根の先のそりは、建物が大きいためか円覚寺舎利殿や正福寺地蔵堂以上に見える。
山口市にあった凌雲寺(りょううんじ)から1573-1592に安国寺恵溪により移築されたらしい。




 


なんといってもすごいのは、太平洋戦争の広島原爆投下の際、3.9キロの地にもかかわらず、わずかな被害で、被爆者の避難場所になったということである。
その力強さがこのお寺にあるとは想像がつかない。また被爆者であふりかえった境内からは、はかりしれないものを感じてしまう。
その意味でも国宝である。